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自律神経失調症 ~ 皮膚描画症 |
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おのでら鍼灸・健康情報…2008/06/29 自分の肌に爪を立てて線を引くとすぐにミミズ腫れをおこしてしまう。そんな症状を「皮膚描画症」という。自律神経失調症の症状の一つである。痒みも伴い、見た目も似ていて人工的に引き起こすことが出来ることからか「人工蕁麻疹」とも呼ばれるようである。衣服のこすれでも発赤を起こし、患者さんは日常的にその痒みに悩まされると同時にその見た目の重篤さから他人の目を気にして夏でも長袖シャツなどを着用するなど悩みの範囲は広い。
Yさんが来院された時の主訴は胸焼け、肩凝り、低血圧、それと買い物などで順番待ちをしている際に貧血のような発作が起きそうになるとのことであった。具体的には胸から何かせりあがってくるような感覚があり、その感覚が出てくると動悸や視野狭窄が起きるというものであった(パニック障害のようなものか)。 2年半前にパチンコ店内で上記のような発作を起こし気絶してしまったという経過があり、今回の様々な症状も半年前に同じくパチンコ店で同様の発作を起こしたことをきっかけにひどくなってきたのだという。一番の主訴である胸焼けは朝起きがけから始まり、食後もひどくなることから食事量も減り、おいしく食べることが出来ないでいた。胸焼けや低血圧に関してはそれぞれ服薬中である。 基本的に自律神経失調症(交感神経優位)が背景にあることが伺える。
初回時に皮膚描画症についての話は聞かれなかった。それ以上にほかの症状がつらかったのだろう。幸いなことに一回の施術で胸焼けがかなり抑えられ、四回の施術でほぼ胸焼けが改善された。油っこい物も含めて普通に食べられるようになり、発作についても自律的なコントロール法も使いながら徐々に抑えられるようになったとのことであった。
皮膚描画症について話が及んだのは二回目の来院時であった。Yさんも同様の症状があることが分かった。その症状は「皮膚描画症」と呼ばれ、自律神経失調症の症状の一つであることなどははじめて聞く内容のようであった。以前自律神経失調症で来院された方も精神科を含め受診されていたにもかかわらず皮膚描画症についての知識は持ち合わせていなかった。案外に皮膚描画症が自律神経失調症の症状の一つであることは知られていないようだ。
Yさんに皮膚描画症が現れたのは5年前に出産した直後からだった(出産後に同症状が現れることがままあるらしい)。体質の変化というような表現をされたりするが、出産という一大仕事が自立神経系統に影響を与えたということなのだろう。衣服のこすれだけでも発赤を起こし、痒みを伴い、掻くとミミズ腫れを起こす。そんな中でいつしか夏でも長袖を着用するようになったとのことであった。
実はこの皮膚描画症も改善は早かった。二回の施術で掻いても赤くはなるがミミズ腫れは起こさなくなったとのことだった。一般的に症状の経過が長いほど改善には時間がかかるというように捉えられるし自分もそのようにいつも患者さんに説明しているが、こと自律神経失調症の症状に関しては改善が早いのがこの間の特徴である。前述の手掌多汗症も長年の悩みにも関わらずその変化は早かった(ちなみに治療を中断したその後はまた少し戻ったということらしく、完治までの治療の継続が必要なのはやはり言うまでもないらしい)。
このような改善に向けたプロセスの違いはどのように考えたらいいのだろうか。 福田、安保らはあらゆる疾患の根底には自律神経系統の変調が影響していると主張しているが、「根底にある」ことと、ダイレクトに自律神経系統の変調に起因するということの違いになるのだろうか。そもそも鍼は自律神経系の調整に有効であることはあらゆる研究によって証明されている。原因の改善が結果に結びつくのは当然の帰結である。もし今後も同様に自律神経失調症に関してこれほどの変化をもたらすことが出来るのであれば、これほど鍼の有効性を示されるのはないのではないだろうか。
今回のケースを通じてもう一つ感じたことは発作を起こした場面についてである。 Yさんが二度の発作を起こしたのがパチンコ店である。パチンコを趣味とするYさんは特にストレスを感じることも無くパチンコを楽しんでいたのだ。しかし発作は明らかに交感神経亢進によって引き起こされたものと考えられる。ではなぜ楽しんでいる最中に発作を起こしたのか。つまり交感神経亢進は必ずしもネガティブなストレスからのみ生じるものではないということだ。Yさんは出産を契機に自律神経のバランスが崩してしまったが、それを改善させる機会を持たないうちにパチンコ店のあの喧騒と興奮が交感神経の亢進をさらに進め、ある一線を越えた時発作につながったのではないかと思われる。
Yさんに限らず自らはいわゆるストレスを感じておらずに自律神経系統の変調をきたしている人は以外に多いようである。全く別の症状で受診された患者さんだが治療しているとどうも皮膚の発赤が著しく、不審に思い聞いてみるとやはり低血圧症状や皮膚描画症を併せ持っていた。しかし本人は学生の頃からあったというその皮膚描画症を気にすることなしに自分で皮膚に字を書いて周りの人に見せていたという。そこには同症状をネガティブに捉えている影は全く無い。
自律神経失調症といわれる病気は円形脱毛症、喉の異物感、頻尿感などこのようなものまでもかと思うようなものから精神的な症状、肩凝り、冷え性等々身近なものまであらゆる症状を呈する。「いつもの症状」と思うものでもその背景には自律神経系の問題があるかもしれない。
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肩関節周囲炎(四十肩、五十肩) |
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おのでら鍼灸・健康情報…2008/05/20 肩関節周囲炎。いわゆる四十肩、五十肩とよばれるものだ。どうやらそんな病気が身近に迫る年代になってしまったという話。
先週の土曜日にある事情から中学時代の同級生が集まることになった。店についてみると既に一人先について待っていた。「おー久しぶり~」と再会の挨拶もそこそこに「ねえねえ相談があるんだけど~」。聞いてみると右肩が痛くて動かせなくなり医者にかかると五十肩と言われたとのこと。 「はぁ~俺らもそんな年代になったのかよ~」と思いつつ「そんじゃそこに横になりな」とみんなが集まる前に治療してみることにした。
「五十肩の治癒に向かう過程はおよそ半年から一年にかけて徐々に改善されていく。鍼の効果はその期間を如何に短くするかにかかっている。」かつて所属していた勉強会ではそのように教えられた。実際開業したての頃は1回1回の治療に如何に鍼の効果を感じ取ってもらえるか苦心したものだった。以前理学療法士として働いていた頃も効果が見えにくく地道に辛抱強く治療を重ねていかなければならない疾患であったとの印象が残っている。
しかし、ある先生から教えていただいた方法が肩関節周囲炎に対するイメージをまったく変えさせてくれた。それは「肩関節周囲炎はその場で改善するし簡単な疾患である」というイメージに変ったのだ。具体的な方法は下腿のつぼを金銀の鍉鍼で挟み込む通し鍼である。もともとは中国鍼で刺し通すやり方だったらしいが、鍉鍼で挟み込む方法でも同様の効果が得られる。
さて、そうは言っても手元に鍼はない。どうするか。そもそも治療は気の補瀉によって行われる。そしてそれぞれの指にも気の流れの走行性に差がある。それを使えば指でも同じような効果が得られることは経験済みである。下腿に治療穴としての反応さえ明確に現れてさえいれば問題は無いだろう。
右肩を上にしての横向きに寝てもらい、下腿を探ると「おーあるあるこの反応!」。これを挟み込んでいると徐々にゆるんでくるのが分かる。下腿の反応が薄らいでくるに従って肩の痛みがうそのように軽くなっていく。そうこうしている内に一人二人と同級生も集まってくる。その間5分ほどのものだったろうか。多少は戻るだろうがだいぶ楽に過ごせるはずである。
会は「私もねえ脚がむくむんだよねえ」「検診で引っかかったから減量中だ」こんな健康に関する話題がつきない。そして僕は弱い酒にノックアウトを食らい、一人夢の中をさまよっていたのだった。
実はその翌日、週に一度習っている沖縄空手の仲間も同じく肩関節周囲炎だというので「続く時は続くもんだなあ」などと考えながら前日と同じことをした。その仲間の反応は「えっ何これ、魔法でもかけたの?」でした。
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鳥インフルエンザ H5N1型 |
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おのでら鍼灸・健康情報…2008/04/30 今年に入って鳥インフルエンザに関するニュースが流れていたが、いよいよ現実味をおびてきたようだ。
十和田湖畔で死んでいた白鳥から検出された鳥インフルエンザウイルスが強毒性のH5N1亜型であることが発表された。国内で野鳥からの検出は昨年熊本でクマタカが感染されているのが確認されて以来のことらしい。幸い今のところ近隣の養鶏場での感染は確認されていないようだ。
現在鳥インフルエンザに関しては感染した鳥との濃密な接触をしない限り人への感染はないといわれている。しかし、ウイルスは常に「進化」し続けており、そのウイルスとの闘いはけっして勝利を収めてきたわけではない。病院内での細菌感染との闘いでも新薬とのいたちごっこに過ぎず、駆逐できてはいない。過去の病と思っていた結核や百日ぜきの流行など聞くにつけ、どこかの先生が警告されていた「ウイルスの逆襲」が単なる夢物語ではないことがわかる。
まあそうは言っても闘い続けなければいけないわけだから、その闘いは手軽でコストが安く効果的であればあるほどいいに決まっている。そこへ希望の持てるニュースが…。 先日、厚労省研究班が鼻に噴霧するだけで済むインフルエンザの新ワクチンの開発に成功したという。 従来の注射ワクチンは血液中にウイルスに対する「抗体」をつくる仕組みで、感染した後の発症や重症化を予防するが、ウイルス株の一致がなければ十分な効果が得られない。しかし、今回開発されたワクチンはウイルスが侵入する粘膜の外側に抗体をつくり感染そのものを防御する方法となっている。
マウスでの検証ではワクチンのもととなった同じベトナム株では100%感染を防ぎ、遺伝子の違う05年インドネシア株や97年香港株でも感染による死亡を抑制するなどの結果が得られたという。また、免疫機能がヒトに近いサルでの検証ではワクチンを使わないサルは肺炎を起こしたが、使用したサルは鼻や喉からウイルスは見つからなかったということだ。
このワクチンが優れている点は注射器を使わないその簡便さから途上国でも使いやすい、従来のワクチンは型が合わないと効果が期待できなかったために何型が流行するかの予測が非常に重要だったが、型の違うウイルスにも高い効果を発揮する、そのため新型ウイルスの発生前に製造可能で発生直後からすばやく対応できるなどが挙げられている。
ただし、ヒトでの臨床実験は10年からだという。望むべくは臨床的に使用可能になるまで新型ウイルスにおとなしくしてもらい、爆発的な感染の広がりがないようにということだ。
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手掌多汗症 |
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おのでら鍼灸・健康情報…2008/04/02 「手に汗握る試合展開」などと言うが、緊張が高まると手のひらに汗をかくのは当たり前のこと。しかし、習慣的に手のひらに汗をかき続けるとこれはちょっと困ったことになる。 紙類がすぐにフニャフニャになったり、書いた字がにじむ、ペンが持ちにくくなる、楽器がうまく弾けない、弦が錆びやすい、夏場はフローリングが危険(多汗症の人は足の裏にもかく人が多い)、ハンドルがすべる等々実にさまざまな場面での不便を感じることとなる。 また、中でも人との関わりが最も大きな悩みとなるようである。お金の受け渡しの時に気になったり、好きな人と触れ合うことが出来ない、学校ではフォークダンスの時に困ってしまう、人に触れる仕事では相手に対して申し訳なくなってしまう。 今回この記事を書こうと思った際にいろいろなサイトを見てみると周りの人間が思う以上に深刻に悩んでおられるのが分かった。そして何気ない一言にどれだけ傷つけられているのかも。さらに医療関係者の無理解というものも結構あって、そのことが余計本人を傷つけているということも…。 けっして病気ではない手掌多汗症。しかし出来れば治しておきたいもの。鍼が何らかの手助けになれば幸いである。
手掌多汗症は性格的な側面を指摘する向きもあるようだが、朝起きるとすぐにかき始めるなどどのような場面においても汗をかいてしまうことなどをみてもそう単純な話ではない。きちんと「自律神経系統の問題」と捉えなければならない。もちろん「汗をかいてしまう」という恐怖がストレスとなってさらに汗をかくという悪循環に陥ることなどもあるため、発汗量を減らすのに心理療法や自律訓練法が奏効することも多いようではある。 他に治療法としては薬物療法、ボトックス注射による治療、イオントフォレーシスという微弱電流を使った治療、そして中には交感神経切除術などもあるらしい。詳しくは手掌多汗症専門のサイトをご覧頂きたい。
知人の息子であるT君は22才で、この春専門学校を卒業し就職することになっている。しかし、彼には一つ気がかりなことがあった。彼が選んだ職業は人に触れなければならない仕事である。これまでも多汗であることを気にはなっていた彼だったが仕事に就くことが現実味を帯びてきたとき「なんとかしなければ」と思い立ったようだ。
彼が訪ねてきたのは1月も末のことであった。話を聞いてみると他にこれといって不調がなく(彼は何日も山を縦走し続けるほどの体力の持ち主のスポーツマン)、「自律神経系統の整い」ということで治療の方向性が見えた。実際体を診ると「芯まで緊張している」状態で正に交感神経優位の体であった。先ずはこの緊張を解きほぐすことが必要で、その緊張が解ける中でどのように手掌の状態が変化していくかを見ようと思った。しかし、3月末にはこの地を離れるつもりのT君。それまでにどこまでの変化が見られるか、「わからない」というのが正直な気持ちであった。
初回の治療を終えたとき、手の状態を見ると湿ったままの状態ではあったが、手そのものは温かくなっており、「んっこれは」と思わせるものだった。同じ状態で悩まれている方は分かると思うが手掌多汗症は交感神経が優位となっているため、抹消の血液循環も不良となり手足が冷たくなっていることが多い。そこが温かくなるという反応が見られたのは良い兆候と判断していいだろう。 その1週間後の2回目の受診時に彼から「前回の治療のあと、まだ汗は出るがいやな出方をしなくなった」という感想が聞けた。「いやな出方」とは具体的にどのようなものかはわからなかったが、本人の感覚の中で感じるものがあるのだろう。 その後も週1の治療を3、4回と治療を続けたが、本人の「順調に変化している」の言葉どおり5回目の治療前に手に触れたときにはすっかり乾いており、1ヶ月前の手とはまったく違ったものになっていた。本人いわくまだ完全ではないらしいがここまで来ると3月末までの完治も夢ではなくなってきたようである。
しかしその後国家試験、卒業、引越しと続き、結局以降の治療をすることなく彼は旅立って行った。親御さんに確認したところではやはり治療を中断して少し戻ったようではあるが、指先は以前の状態からはまったく変り乾いた状態になったとのことであった。完治まで治療が出来なかったことは非常に残念であるが変化の端緒がみられたことは確信となった。
他にも自律神経失調症の方もいらしているがこの方の反応も良好である。以前にも鍼の効用に自律神経系統の整いを挙げたが、個人的な感想であるが他の内部疾患よりも効果が現れやすいような印象を持っている。今後も検討を重ねていきたい。
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ハダカデバネズミと長寿 |
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おのでら鍼灸・健康情報…2008/02/06 ハダカデバネズミというねずみがいる。 1842年にドイツのラッペルという生物学者によって発見されたらしいが、その姿は奇妙で8~9cmの体長、全身にはほとんど毛が生えておらず、身体に比して大きな二本の鋭い歯が出ており、だから「ハダカデバネズミ」というらしい。最初新種として発表されたが他の動物学者からは「何かの幼獣だろう」といわれていたとのこと。その後新種であると確認されるわけだが、驚くべきはその姿のみならずその生態であった。
ソマリアからケニア東部にかけての乾燥した地中にトンネルを張り巡らしその中で暮らし、大きな群れでは数百頭の集団にもなる。そしてアリやミツバチなどの昆虫のように繁殖する個体と、働くだけで繁殖しない個体が分化している。これは「真の社会性」と呼ばれるらしいが(役割がはっきりしていて秩序立っていることからそういわれるのだろうか?なんとなく不公平な気がするのは私だけ?)、哺乳類ではこのハダカデバネズミだけらしい。餌は植物の根だとのこと。
閉鎖的な穴の中だけで近親繁殖を繰り返すのでそれぞれの個体は遺伝子的に非常に似通っている。その為女王の子供の成長を助けることが繁殖しない個体であっても自分の遺伝子を残すことにつながることになる。飼育に関しては温度や湿度が余り変らない地中に暮らすため、29±2度に温度を保たなければならなかったり、振動や騒音、においなどにも敏感なので、それを逆手にとって常にラジオを流すことで雑音に麻痺させるなどさまざまなことに気を使うとのこと。
ハダカデバネズミが持つもうひとつの特徴は長命であるということだ。手のひらサイズの小動物は通常は数年の寿命しか持たない。しかし、このネズミは30年も生きるというのだ。その理由のひとつに体温を維持するにも周囲の気温任せで代謝の低い種類ゆえの能力ではないかと言われている。現在ではこの種を使って寿命の秘密を説く研究も始まっているらしい。
蛇が天敵で、穴の中に蛇が侵入してきた場合は「ソルジャー」と呼ばれる階層のネズミが身を挺して巣を守るらしいが、それ以外は「真の社会性」の中で争うことも無く、餌も植物の根ということは捕獲のためのストレスは低いのではないだろうか。そして、振動や騒音、においに敏感ということは、逆に言えば普段の住環境はそのようなストレスを感じない場所だということ。人間のようにさまざまなストレスを我慢しながら生きているのとは別次元の感がある。素人考えだがそのようなストレスの無さも長寿の原因かもしれない。
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腰痛の不思議 2 |
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おのでら鍼灸・健康情報…2007/08/22 肚腹は三里に止め 腰背は委中に求む 頭項は列缺に尋ね 面目は合谷に収む
鍼灸師の養成学校で使われる教科書にも載っている四総穴と呼ばれるツボの説明である。 (足)三里、委中、列缺、合谷がツボの名前で、それぞれ文頭の部位に生じる症状はこのツボで治るとされているものである。つまり腹の症状は足三里、腰や背中の症状は委中、頭やうなじなどは列缺、顔面の問題は合谷を使うと良いとされているのである。
鍼灸術においてもさまざまな流派があり、古来から伝わる古典の中に書かれていることを重視するものや、現代医学的な考え方をかなり取り入れたもの、古典を元にオリジナルな方法を発展させていったものなど実にさまざまである。要は古典をどう捉えるかである。
鍼灸に限らず古くから言い伝えられているものにはそれなりの意味があり、また歴史的にも試され済みのことが多くある(もちろん単なる迷信のものもあるが)。しかし、患者さんに対する治療で最大限の効果を発揮しようとすれば一穴で治療を終えることは臨床上あまり無いことである。そこで先日勉強会で、それ以外の治療は行わず委中だけでどこまで腰痛は治療できるかを試したことがあった。
5人のモデル患者(勉強会の参加者)の内、1人は腰に鈍痛と言うか重苦しさを訴え、1人は腰よりやや上の部位に苦しさを訴え、3人は腰背部に特に異常は無い状態であった。
結果から言うと腰痛を訴えていたモデル患者は著効を示し、腰背部全体に日が当たっているかのような暖かい感じがして、その後さわやかな風が流れるような感じがし、数分後には腰が軽くなったとのことだった。また背部痛を訴えていた人は、痛みそのものはあまり改善しなかったが気の動きは感じることができたし、他の3人も脚全体が温かくなるなどの何らかの反応が見られた。
実は他の3人の中の1人が私で、私に生じた反応は胆経ラインにチリチリとした痛みにも近い感覚が走るというものだった。委中とは膀胱経のツボで膝裏の真ん中にある。胆経ラインとは脚から体幹から頭までの側面を走る経絡である。膝裏のツボに対する治療で股関節から膝関節の外側面に上記のような感覚が生じたのである。
「運動学的にみても膝裏の緊張が緩むと腰も楽になるだろうな」と安易に予測を立てていたが(それも一つの事実ではあるが)、自分を含めて全員の反応の仕方は単に運動学的な意味合いのものではなく、正に経絡的な反応だったのである。
四総穴恐るべしであった。逆に「何故委中で胆経の反応が出るのか」の課題も生まれてしまったが、また腰痛治療の面白さ、不思議さを覚えたエピソードであった。
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腰痛の不思議 |
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おのでら鍼灸・健康情報…2007/07/25 帯状疱疹後神経痛、慢性関節リウマチ、パーキンソン病、クローン病、胃痛、易疲労性、前立腺肥大、不妊症、冷え性、生理痛、子宮筋腫、尋常性乾癬、アトピー性皮膚炎、夜尿症、喘息、耳鳴り、突発性難聴、チック症、噛み締め呑気症候群、不眠症、眼精疲労、偏頭痛、風邪、花粉症、額関節症等々
整形疾患以外でもさまざまな疾患を診させていただいている。 当然理学療法士をしていた頃には担当することも無かった症例も多く、そういった症例の治療が成功することに技術屋である鍼灸師としての面白みややりがいを感じている。
しかし、最近特に感じるのは腰痛の奥深さである。 以前HPの「健康のことあれこれ」の中でも少し触れたことがあるが、腰痛の原因は実にさまざまである。脊柱管狭窄症や外傷・感染・腫瘍などの骨原性のものから、椎間板ヘルニアや筋膜性腰痛、仙腸関節症など軟部原性のもの、神経疾患・内臓疾患・脈管疾患由来のものまで実にさまざまである(尤もこれらは現代医学的な分類であり、それぞれの病名を見て治療方法を選択するわけではないが、疾患が持つ特性によって治療内容が変化することは大いにあるし、便宜上有効でもあるので使わせて頂く)。
これらの中で最も多く診るのはいわゆる筋膜性腰痛である。 その多くは腰背筋の過緊張に伴う痛みであることが多い。しかしまれに腰背筋の「過弛緩」ともいえるような状態での腰痛に出会うことがある。そのようなケースでは腰背部の弛緩とともに上背部の過緊張がみられるのが特徴である。そして腰背部が「過弛緩」であるために緊張を落とすようなアプローチは逆効果である。また、上背部と腰背部とのバランスをとるために単純に上背部の緊張だけを落とすこともかえってうまくいかないことがある。 このようなケースがどういった機序で起こるのかは不明だし、きわめてまれなケースであるが実在することは確かである。
先日診た30代の女性は一週間前から腰痛を起こしていた。もともと腰痛は時折起こしていたらしい。二日前の朝から寝違えのような状態で頚部痛を併発し、両上肢(小腸経・心経)にしびれの訴えもあった。頚部痛は特に伸展・右回旋で増強し、運動制限(伸展約5度、右回旋約20度)もあった。病院受診を経て当院へいらした時点では腰痛よりも頚部痛及び上肢の痺れが主訴となっていた。
症状が経筋病として出ていたので端座位のままで子午治療を行い、とりあえず痛みをとることにした。数分で痛みが軽快し運動制限もほぼ改善したため、腹臥位になってもらい背部を診る。明らかに上背部の緊張が亢進し、腰背部が弛緩した状態となっていた。上背部の緊張を取るとともに腰背部の緊張を高め、最後に上下の通鍼を行うことでバランスを整え終了とした。後日伺った話では治療後むくみなどが出たが二日ほどして収まり、痛みのほうもすっかり改善したとのことであった。
おそらくこのようなケースは緊張を落とすことに治療の主眼を置いていた理学療法士時代では対応しきれなかったケースではないかと思われた。また、あらためて鍼灸の面白さと共に腰痛の奥深さを感じさせられたケースでもあった。
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風邪のときの入浴法 |
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おのでら鍼灸・健康情報…2007/04/27 さて皆さん。めっきり寒くなってまいりました。季節の変わり目は何かと体調を崩しやすいものです。記念すべき第一回目の「健康にまつわる話」は季節にちなんで、風邪を引いてしまった場合の入浴法についてです。どうぞおつきあいください。 東洋医学では「かぜ」は「風邪(ふうじゃ)」や「寒邪(かんじゃ)」といった「邪」に侵されることで発症すると考えています。ですから、治療のポイントとしては鍼による生命力強化とその「邪」の処理となるわけですが、その時に補助療法として有効なのが入浴法です。皆さんは風邪を引かれたときの入浴の仕方はどのようにしていますでしょうか。 風邪っ気だから今日は入らないようにしようとかまだまだ入浴を恐れている方が多いのではないでしょうか。結局どのように汗を出すかが早く風邪を治すコツのようですが、半身浴なども使い上手に使い分けることで、かえって風呂に入ったほうが早く治るようです。私自身はめったに風邪を引かないので試すことがなかなかできないでいますが、普段の入浴法としてやってみるとなるほどこれは効きそうだと思いますのでぜひ皆さんも試してみてください。 ≪風邪の引きはじめでゾクゾク寒気と発熱38度以下の場合≫ 40度ぐらいのお湯で半身浴(臍までつかる入浴法)で20分ぐらいつかります。まだまだ風邪の引きはじめで体力がありますのでたっぷりと汗を出してしまいましょう。
≪薬を飲んでいるが38~39度でなかなか治らない場合≫ 入浴法は上記同様ですが、あらかじめ葛湯などを飲んで入り、中からもしっかりと温めてあげましょう。 ≪汗が出て39~40度の高熱で苦しんでいる場合≫ 38度くらいのぬるい温度に肩までつかりで熱を下げます。体力がある人だと37度ぐらいでも良いです。熱が下がり体がなんとなく楽になったら半身浴に切り替えて、徐々に温度を40度ぐらいまで上げていきます。この場合は汗をかくことが目的とはなりませんので、じんわりと汗ばんできた段階であがりましょう。このとき、両方の乳首を結んだ線の真ん中をグリグリ押して痛みがあるときは足湯のほうが良いでしょう。 ≪汗が出ずに39~40度の高熱の場合≫ 発汗目的なので、あらかじめ葛湯などを飲ませておいて、37~38度のぬるいお湯に半身浴して徐々に温度を40度ぐらいまで上げていきます。時間は15分~20分入るようにし、その時上半身が寒いようであればタオルか何かをかけてあげます。最初から熱いお湯は逆に汗が出にくく、汗が出る前にのぼせたり、体力を失ってしまうようです。 ≪治りかけの風邪≫ 治りかけだからとすぐに風呂から出ずに39~40度の少しぬるめのお湯にじわっと汗が出始めるまで長めに入り体を暖めます。 ≪慢性的な風邪≫ 葛湯を飲ませておいて38~39度のゆっくり半身浴をします。汗が流れるまで入らずに、じわっと汗ばむ程度までにしておきます。 ≪足湯≫ 風呂に入るのはどうもという方は足湯を試してみてはいかがでしょうか。足湯はまさに足関節までつかるお湯です。15~20分、足が赤くなるまでつかりますが、左右差が出てまだ赤くならない足があればそちらをもう3分つけて赤くなるようにします。ただし、足まで熱で熱いような場合は悪症なので足湯は行わないほうが良いでしょう。 (基本的な部分は「調氣鍼法」より抜粋) ポイントとしては発汗を目的とするときは半身浴で時間をかけて行うこと。暖める場合でもいきなり高い温度ではなくぬるめ(低負荷)でゆっくりと行う事が大事です。表記の体温と温度はあくまでも目安です。高熱といっても平熱との比較で個人差があります。また、東北地方は外気が寒いので、これからの季節は脱衣所にストーブをつけたり、ふたをはずして湯気を出しながらお湯を沸かすなどして浴室内を暖めておき、お湯に入ったときの温度差が大きくならないようにすることも必要です。大人であれば入浴しながら自分の体の状態に注意してのぼせることのないように、また、逆に上半身が寒いようであれば肩に乾いたタオルをかけたり、胸元ぐらいまで湯量を増やすなどの工夫をしながら心地よい入浴法と温度設定をしてみてください。自分の状態をまだ上手に表現できないお子さんであれば足湯のほうが無難かもしれません。またいずれの場合においても風呂から出た後は水分と塩分補給が大事ですのでお忘れなく行ってください。 ちなみに、普段に半身浴を行なうときは夏場は38~39度、冬場は40度ぐらいで行なって見てください。寒い場合は41度ぐらいでも良いでしょう。さらに寒い場合は湯量を増やしてもいいと思いますが、首までつかると息苦しく、長く入っていられませんのでせいぜい胸元ぐらいまでとしましょう。大事なのは暑さや寒さに我慢することなく、ゆっくりとした心持で長く入っていられるようにすることです。よく、「カラスの行水」タイプの方からは「そんなに長く入っていられない」と言われますが、実際にぬるめの温度にして、湯量を減らし、リラックスした状態になると「ウトウトと眠くなりあっという間に時間が過ぎるようになった」と言われます。ぜひお試しください。
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足湯と脚湯 |
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おのでら鍼灸・健康情報…2007/04/26 前回は半身浴を中心として風邪のときの入浴法について書きましたが、半身浴は以外に時間がかかり特に小さなお子さんがいらっしゃるお母さんなどはゆっくり時間が取ることが難しいようです。そこで今回はもっと気軽に行える足湯と脚湯をもう少し詳しく紹介したいと思います。 ちなみに効用としては単に風邪治療だけでなく、冷え性や不妊症、生理痛など婦人科疾患の問題を抱えている方は普段の養生法としてもお勧めしたいと思います。不妊症はこれだけで改善するものではありませんが、私の尊敬する先生は妊娠できる体づくりから始めることがまず大事だとおっしゃっています。詳しくはこちらから先生のホームページを訪ねてみてください。 ≪足湯と脚湯の違いについて≫ 足湯と脚湯の違いはどの深さまでお湯につかるかの違いです。足湯は足首までつかり、脚湯は膝下までつかることです。その深さによって効用は違うと言われていて足湯は冷え性、咽喉の痛み、生理、風邪、疲労などであり、脚湯は下痢、便秘、食当り、食べすぎなどの消化器系の異常などがあげられています。冷えの改善、汗をかくことのできる身体創り、リラクゼーションあたりを目的として気長に、そして実際にやってみて自分にあったほうを選んでいけば良いのではないかと思っています。
≪用意するもの≫ 小さなお子さんから目を離さずとも良い、テレビを見ながら・音楽を聴きながらでもできるとの理由で部屋の中で行うことを前提にすると、まず周りがぬれても良い環境が必要なので、新聞紙なりバスタオルなりが必要です。あとは足を楽に入れられるようなバケツ(四角形のものがお勧め)、足拭きタオル、足し湯用のお湯ぐらいでしょうか。こだわりたい方はアロマオイルとか、効果を長持ちさせるためにあら塩などを入れてもいいと思います。ただし、すねにキズ持つ方はご注意を。 ≪入り方≫ お湯は43℃ぐらいの熱めのお湯を準備します。足湯のほうが脚湯よりも温度設定は高いほうがいいようです。自分で浸かってちょっと熱いと感じるぐらいが良いでしょう。ぽっぽっと汗をかくくらいを目安に10分ぐらい(子供は短めに、鈍い人は長めに)つけておき、茹で上がり具合で左右差がある場合はまだ白っぽいほうをもう2~3分ぐらい長めにつかるようにします。途中でぬるくなったら足し湯をして下さい。最後に風呂場で今茹で上がった足に冷水を掛けます。これが効果をより長持ちさせるコツです。あとは水分を補給します。絹製の五本指靴下の着用を 勧める方もいらっしゃいます。 ≪風邪の場合≫ 経過が長く熱がそれほどひどくない風邪の場合は事前に葛湯を飲みます。熱が出ている場合は解熱作用のある物としてりんご汁(酸味のあるりんごをすりおろし、半分はそのまま食べ、半分は絞ってそこへさらにレモン汁を2,3滴落とす)を飲んでおくとさらに効果が高いということです。
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経絡マッサージ |
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おのでら鍼灸・健康情報…2007/04/25 さて今回の「健康にまつわる話」は経絡(けいらく)マッサージについてです。 経絡マッサージの「経絡」とは簡単に言うとからだの中の「気」の流れる道です。流れると言うからには流れる方向というものが決まっています。その流れの方向に沿ってマッサージするのが経絡マッサージです。 ではどのように流れているか確認してみましょうか。まず左右どちらかの前腕を、袖をめくって出していただき、手のひらを上に向けます。上向きになった前腕に反対側の手のひらを乗せて見ます。そうすると、乗せた手の人差し指が肘側、小指が手のひら側にきますね。さて、その人差し指と小指を比べるとどちらのほうが温かく感じるでしょうか。 できれば人差し指のほうが温かく感じるといってほしいのですが、実は腕の経絡の流れは手のひら側は肩から指先に向かい、手の背側面は指先から肩の方へ流れていっています。ですので、手のひら側に乗せた場合、肩のほうから流れてきた気が人差し指に当たるため人差し指側のほうが温かく感じるというわけです。もっとわかりやすく見るには今度は手のひらを下に向けて背側面に反体側の手を置いてみましょう。手のひら側に乗せたときと比べて人差し指と小指と感覚に変化はありませんか。微妙な感覚の違いですので集中しないとなかなかわかりづらいですが、敏感な方ですと温度の違いのほかになんかモヤモヤとしたものが当たる感じがする人もいます。 ここでちょっと確認ですが、いろいろなサイトでも経絡マッサージを取り上げています。多くは美容を目的としたもののようです。その為、リンパ液の流れを促すことに主眼を置いているので、ある程度圧迫を加え、物理的な刺激でマッサージを行うようです。ここで取り上げているのはあくまでも気の調整による経絡マッサージですので、気を意識して行っていただくといいと思います。 ではその流れが確認できた人もできない人も実際のマッサージを行ってみましょう。要は下の図に従って行うだけです。ひとつの健康法として気長に行ってみてください。やり方としていくつか紹介します。
≪アイテムとして日本製の手ぬぐいを使い、入浴時に石鹸をつけて洗うときにおこなう。≫ 乾布摩擦ではありませんので石鹸をつけてすべりを良くしてください。同一方向へ5~10回を目安にやってみましょう。(乾布摩擦自体にも意義はあると思いますが、目的がおのずと違うので自分にあったほうをやってみましょう) ≪アイテムとしてタワシを使っての軽擦法≫(「寺子屋お産塾」推奨方法) 基本的な方法は同じです。流れに沿って軽くさすり、心地よい感じを大事にし、痛みや不快感の無いように行います。タワシ自体はシュロ製品で卓上を掃くような感じのものをお勧めしているようですね。これだと疲れず楽に出来るそうです。
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冷え症対策 |
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おのでら鍼灸・健康情報…2007/04/25 冬のこの時期、夜寝るときに冷え性でお悩みの方が多いと思います。冷えは睡眠を妨げるだけでなく婦人科疾患の根源をなすものであり、ひどい生理痛や時に不妊症などの隠れた原因ともなります。また、冷え性というと女性特有と思われがちですが最近では男性の方でも人知れず悩んでいる方もいらっしゃいます。そこで今回は冷え性対策でいきたいと思います。 まず、大きく分けて冷え性対策には三つあると思います。 一つ目は外部から暖める方法です。湯たんぽや電気毛布の使用などがこれに入ります。これは即時性があって特段の努力も要らず多くの場合この対処法でやられていると思います。しかし、そのときは気持ちいいですが根本的な解決策とはならず逆に体の熱を発しようとする仕組みを弱めることにもなりかねませんので、電気のつけっぱなしにならないように注意が必要です。極端な方はこたつで寝るという方もいるようですが、そこまでくるともっと体質改善など抜本的な対策を立てるほうがいいと思います。布団乾燥機を使って布団を温めておく方法や、人肌を利用する方もいます。人肌利用は電磁波の悪影響を受けずに「気」をもらうので最も安全な方法ではないでしょうか。小豆を袋に入れてチンしてカイロ代わりにする方法もあるようです。 二つ目は輻射熱や体の二次的反応を利用したものです。以前より靴下を履いて寝る方がいましたが、その圧迫感からあまり疲れが取れず、また血流を圧迫することからその効果がいまいちのようでした。しかし、最近では夜寝るとき専用の靴下なども販売されかなり効果を挙げているようです。唐辛子をガーゼにくるみ靴下の中へ入れたり、唐辛子入りのクリームを塗ったりもします。足指の運動をすることで血流循環を高めて寝る方もいらっしゃいます。食べ物では良く唐辛子など辛いものが推奨されていますが、出た汗の処理が必要だったり、食べすぎはかえって体を冷やすことになるのでほどほどにしなければなりません。しょうがやねぎの方がお勧めですがこれも食べすぎはかえって変調をきたすので、毎食などという極端な摂取は避けましょう。それから首の頚動脈からの放散熱によって熱が奪われることもあるので、何かふんわりとした素材で首元をくるんでおくことも有効と思われます。 三つ目はなんと言っても体質改善でしょう。たとえば以前も触れましたが半身浴です。自律神経の交感神経が優位になっていると血管が収縮し血行不良となり冷えの原因になります。仕事や身の回りのストレスから開放させ副交感神経を働かさなければなりませんが、熱いお湯に短時間の入浴では体の表面だけが熱くなるだけで芯からの緊張は開放できません。じっくりとほぐしてあげましょう。浴室内がどうも寒すぎるという場合には心臓がお湯につかりきらなければ胸元ぐらいまで入っても良いと思います。湯上り時に足元にさっと水をかけると表面の血管がきゅっと締まり熱の放散を防ぐ効果もあります。冷えが強すぎて「かけたくないなあ」と感じる方は無理せぬように。何ごとも自分のからだに聞いてみて気持ち良いようにしてあげてください。それから普段から足ツボマッサージや健康サンダルなどで足の裏を揉みほぐし血行を良くする方法もあります。 東洋医学的にはツボとしては腰周りのツボ(腎兪、大腸兪)や下腹部のツボ(気海、関元)ソケイ部の衝門、脚のツボ(三陰交、懸鐘、湧泉)などが使われます。センネン灸で一日一壮づつすえてみてはいかがでしょうか。ツボはなるべく「生きたツボ」をとることが必要なので可能な限り鍼灸師の指導を受けることをお勧めします。また、単なるツボ刺激だけではなく同時に仙骨や骨盤異常が婦人科疾患に及ぼす影響も言われており、その矯正が必要となってきます。ここまで来ると専門的な治療の範囲内になってきますが、顎関節の異常や親知らずから来る骨盤のゆがみなどもありますので重症な方は鍼灸のみならず歯科治療が必要になる方もいらっしゃいます。 その他体質改善として重要なのは夏場からの対策でしょう。冷房の使いすぎは自覚しなくとも交感神経優位の状態が日常化し、そこからの脱却が難しくなり、そのつけが冬になってからくることになります。自然に考えれば夏は暑くて当たり前、額に汗するくらいでちょうど良いとしないといけません。 より積極的な体質改善の方法として呼吸法や、気功、瞑想法などもありますが、冷え症の問題だけでなくほかにも通じることが多いので次の機会に紹介したいと思います。 先日、テレビでも放映されていましたが(スパスパ人間学)、腸腰筋のストレッチや大殿筋の筋力強化で骨盤のゆがみを整え冷え症の改善につなげるというものでした。接近の仕方は違いますが、根本的な対策としては共通するものがあるのだなあと感じさせられました。それらも参考にしてみてください。
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「福田ー安保理論」について |
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おのでら鍼灸・健康情報…2007/04/25 皆さんは最近徐々に注目されつつある「福田―安保理論」というものをお聞きになったことがあるでしょうか。福田先生は外科のDr、安保先生は新潟大学の教授で免疫学を研究されています。お二人が提唱している「福田―安保理論」は一口で言うと「からだを病気から守っている白血球の数と働きは自律神経によって調整されている」ということです。たったこれだけのことと思われる方もいるかもしれませんが、この事実に今まで気づいた人はおらず、この一言に多くの病気の本態が説明しつくされているようです。私は免疫学者でもなんでもないので先生方の理論がその分野でどのような位置づけにあるのかはわかりませんが、鍼灸師として患者さんを見ているうえで非常に説得力を持った理論の展開がされていると思います。今回はこの理論を簡単に紹介し、皆さんが苦しんでおられる様々な病気の本態について考えてみたいと思います。 詳細は先生方の著書を一読されることをお勧めしますが要旨を簡単に紹介します。 白血球にはいくつかの種類があるのですが、その中の顆粒球とリンパ球というものがそれぞれ自律神経の交感神経と副交感神経によってコントロールされており、一定の割合を保っています。 交感神経にコントロールされている顆粒球は真菌や大腸菌、古くなって死んだ細胞の死骸などサイズの大きい異物を処理する役割を持っていますが、寿命は2~3日と短く、その役目を終えるときに活性酸素を放出します。その活性酸素は強い酸化力を持ち、正常な組織をも次々に破壊していくのです。もともと人のからだにはその活性酸素を無力化する仕組みがあるのですが、顆粒球が増えすぎるとそれが追いつかず万病を招く元凶となるのです。 一方副交感神経に支配されるリンパ球はウイルスなど微小な異物を攻撃する役割を持っていますが、そのリンパ球はさらにいくつかの種類に分けられます。その中のNK細胞はガン細胞を攻撃することを得意とします。 それら顆粒球やリンパ球をコントロールする自律神経の役割ですが、まず交感神経は心拍数を上げたり、血管を収縮させたり、消化器系統の活動を抑えたりといわば日中働いているときや活動性の高いときに良く働く神経です。副交感神経はその逆で心拍数を下げたり、消化器系統の働きを促進するように働くいわばリラックスした状態の時に良く働く神経です。どちらの神経も本来人間にとって大事な働きを持つものですが、現代社会においてどうもこの交感神経が優位に働きすぎていることが多く、様々な問題を引き起こしているようです。 交感神経が働きっぱなしになると次のような状態になります。 顆粒球の割合が増えて活性酸素により組織破壊をきたす。 血管収縮により血流障害をきたし、冷えや局部の栄養障害、または老廃物等の停滞をきたす。 リンパ球そのものを減らす。 排泄・分泌能の低下をきたす。 以上のような状態が継続することでガンの発生やホルモン等の分泌障害で様々な病気を引き起こすという考えが先生方の提唱している理論です。多くの疾患には直接の原因がそれぞれあるわけですが、その直接の原因を生み出す隠れた背景はどちらかの神経優位が常態化することだといっています。当然副交感神経ばかりが優位になりすぎても別の病気を引き起こすことも言われている(何事もバランスが大事って事ですね)わけですが、疾患の7割が交感神経優位によって引き起こされるというのであればいかにその緊張状態から抜け出すかが大事になってきます。中にはストレスを抱え込んでいても自覚できない人がいます(責任感の強い方などは特になりやすいです)。何らかの症状を抱えている方は今一度ご自分の生活を振り返ってみてはいかがでしょうか。長時間のパソコンの使用や夜更かしなども一種のストレスですよ。
では、ストレスからの脱却、交感神経を沈め、副交感神経を働かせるにはどうしたらよいのでしょうか。たとえば入浴ひとつとっても熱めのお湯に短時間の入浴はかえって血管の収縮を強め、まさに交感神経を高める入浴法となります。このような入り方をしている人は半身浴などで体の芯から緩むような入浴法に変えるべきです。ここのHPでは「風邪のときの入浴法」ということで半身浴を紹介していますが、普段からこの入浴法をしていると肩こりや腰痛、冷え症など改善されていきますのでぜひ取り入れてみてください。また、気分転換に運動といってもあまり激しい運動は交感神経を高ぶらせるばかりなので、ストレスを抱えている人などは散歩程度の軽運動のほうが良いでしょう。
そして何より福田―安保理論を展開する各著書の中で推奨されているのが鍼灸治療です。「なぜ鍼が効くのか」その考え方には西洋医学を基本におくものと東洋医学を基本とおくものに当然ずれは生じますし、交感神経優位の状態を鎮めることにのみその有効性を認める点においては異論がありますが、多くの疾患において鍼灸が有効であるという点においては同じ立場となっています。福田先生自身もメスを注射針に持ち替えて「刺絡療法」という鍼灸術のひとつの方法で日常診療を行っているとのことです。
東洋医学でも以前に紹介したように「内傷無ければ外邪入らず」といって精神と病気の関連が深いことを示唆しています。東洋医学では更にどのような精神状態がどのような症状を引き起こしやすいのかも分析しています。そのうちに紹介したいと思います。また、ひとつのリラクゼーション法としての瞑想法について次回に取り上げてみたいと思います。
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瞑想法について |
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おのでら鍼灸・健康情報…2007/04/25 ストレス社会といわれる現代ですが、東洋医学ではストレスと病気との関係について「内傷なければ外邪入らず」と言って「精神的に問題を抱えていなければ病気には罹りにくい」ことを教えています。しかし、ストレスの無い生活を送ることができればそれに越したことは無いのですが、そんな訳にはなかなかいきません。避けられないストレスとは上手に付き合っていくしかありません。 その方法のひとつには「事態を客観視する目を持つこと」だと私は思います。 例えば、同じような場面に遭遇しても多大なストレスを感じる人とあまり感じない人がいます。その差はどこにあるのでしょうか。人の能力にはそれほど差は無いと言われますから、要は事態を客観視できるか、感情的に巻き込まれてしまうかというところにあると思います。客観視できると案外に解決方法が見つかったり、事態そのものは変わらなくとも自分の気持ちの持ち方で対処していくことが出来たりします。第三者の目を持ち、ちょっと離れたところから事態を見つめてみる。そんな風に対応してみてはいかがでしょう。 そしてもうひとつ。波立つ心を静め、緊張している体をほぐしていく試みをしてみてはいかがでしょうか。ストレスを跳ね返すのではなく、ありのままに受け止め、それを上手に逃がしてやる対処法です。これはストレスをあまり自覚しない方でも、肩こりや冷え症、慢性疲労を感じておられる方にもお勧めしたいと思います。 そのような方法には気功やヨガ、太極拳、アロマテラピー等々数多くのものがありますが、今日紹介するのは瞑想法です。これは知人から教わったものに自分なりにアレンジを加えたものですが、時間と場所をとらずに面倒くさがりの自分にはピッタリだと思ってやっていますので、興味のある方はぜひともお試し下さい。 横になっていても、椅子に腰掛けても、胡坐でもいいです。自分の楽な姿勢になりましょう。目を閉じて意識を頭のてっぺんにもって行きます。その意識を少しづつ前頭部から眉間、目の奥、鼻というように下に下げていきます。今まで意識したことも無い部分に自分の意識を持っていくと思いがけないところに力が入っていたり、なんとなくモヤモヤとした感覚があったり、重い感じすることに気づかれることと思います。左記の感覚のところや痛みを感じるところに意識を持っていったら、しばらくその部分を見つめてみましょう。軽い緊張や痛みだとその部分を意識で見つめるだけで軽くなる場合があります。しばらく見つめてあまり変わらないようなら、あまりこだわらずに意識を次の場所に移動させましょう。そうやって耳たぶやら肘や指先、心臓やそのほかの内臓器官、もちろんお腹の表面も踵も膝裏も自分の身体のあらゆるところに意識を持っていってみましょう。その時、意識は飛び飛びであちこち行くのではなく、連続した流れの中で身体のあちらこちらをゆっくりと移動させていくことです。そして少し慣れてきたら意識をなるべく一点に狭めて、リアルに臓器を感じてみるほうがいいでしょう。例えば一口に「目」と言ってもまぶたや眼球の後ろや横、「鼻」だったら鼻先や穴の中や奥のほうです。そうして自分の身体の中の変な感覚があれば、それに自分の意識で気づくことがまず大事なことです。 私はそのようなことを半身浴の風呂の中でやったり、夜、布団の中にもぐってからやっています。眉間や肩から肩甲間部にかけて力が入っていたりするのに気づいたり、足や指先に意識を持っていくとブワーっとその部分がふくれて、血流が良くなるような感覚で暖かくなったりします。 最初から多くの反応を期待せずに気づくことからはじめてみてください。おそらく多くの方には初めての経験でもあり、暇つぶし的にやってみても面白いと思いますよ。 このような方法はイメージ力が大事で、「その気」になってやってみる方がうまくいくのですが、余裕がある方は次のようなことも試してみてはいかがでしょうか。 頭のてっぺんには百会というツボがありますが、ここはチャクラのひとつです。気功をやってみたことがある方はご存知だと思いますが、チャクラは英語で言うところのエネルギースポットです。まあ、気の集まりやすいところと言うか身体から出入りしやすいところと言うかそんな感じの場所なのですが、その百会から何らかのエネルギーが入り込むようなイメージを持ってみてください。百会から取り入れたエネルギーをへその下、下腹部に一度溜め込みます。気を身体の中心部に集めるだけでも肩の緊張が和らいだりしますが、そのフッと力が抜ける感じを覚えてもらい、自分が違和感を感じるところに意識を持っていき、その緩む感覚をその部分に投射してみてください。 仕事などで極度の緊張を強いられるとき腹の底から這い上がってくるような嫌な感覚を覚えますが、身体の中のエネルギーの移動をイメージできると、その這い上がってくる感覚を圧しとどめて下腹に戻してやることも意識の力でできます。それができるとある程度落ち着いた感覚を取り戻せますので、これも試してみてください。 身体の緊張を緩ませる感覚を覚えられれば目を開けていても、仕事中でも(運転中など危険な場面ではやらないでくださいね)やれるようになると思います。但し、病的な程の緊張をほぐすには集中と時間と期間を要しますので、鍼灸治療との併用をお勧めします。 人は自分の身体のことを分かっているようで分かっていないものです。意識して自分の身体を見つめてみることも面白いですよ。一度ぜひお試しください。
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食養生 玄米~発芽玄米 |
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おのでら鍼灸・健康情報…2007/04/25 単なる栄養学上の献立だけではなく、陰陽からの観点での食養生についても様々なことが取り上げられるようになった昨今ですが、いろいろな書物を読んで見ますと実に様々なことが書かれています。ある特定の食材を推奨するものから摂取の仕方に重きを置くものまで本当にいろいろあります。中には「主食と言うからには食の中心なので、主食を沢山摂りなさい」と言う人と「主食は少なめに、副食を多く摂りなさい」と言う人とまったく反対なものから、ある特定の食材を極めて少量摂取するといった極端な摂取法を提唱する人までいます。 私はそれら一つ一つに批評を加えるほどの才を持たないので何も言えませんが、個人的感想としてはそれらを提唱する理由付けに説得力が欠けるものや、ある一面納得はできるがそれを続けるにはかなり自らを律しなければならないほど厳しいものだったり、経済的な負担が高かったり、よほど健康に対する意識が高く動機付けが無いと続けられないものなども中にはあり、このような本を読むと食養生って難しいなあと感じる人が多くなるのではないかと思いました。 ですので、食養生についてはごく普通の人が、あまり負担感を覚えずに続けるられることを基本にはじめたいと思います。 まず、様々な書物が出版されていますが、ほぼ共通して推奨されている食材としては玄米と大豆食品でしょうか。これはどなたも異論を唱えることは無いと思います。玄米食はテレビでもこれだけ取り上げられているので、知識として知っている方は多いと思いますがビタミン、ミネラルが豊富で「完全食」とも言われています。その比率は正確には分かりませんが、取れたての米を100とすると白米には5しか残っていないのに対して玄米には95が残っていると言われているようです。 東洋医学的にも白い色はより陰性の強い食物とされていていますが、現代人のように体質が陰性化している場合にはより陽性のものを摂った方がいいでしょう。例えば米だったら白米より玄米、ゴマだったら白ゴマより黒ゴマ、大根だったら生よりは煮込んだものといった具合です(ただし、極陽性である肉はまた別の問題です)。 このように良いとされている玄米食ですが、案外実践されている方は少ないようです。その理由としては食生活を変えようとするまでの動機付けが弱いことや、白米のほうがなんと言ってもうまいこと、なんとなく面倒くさいことなどがあげられるでしょうか。なかにはかえって腹を下してしまうという方もおられるようですが、これは摂取の仕方を工夫してみることで改善可能だと思われますので、せっかくはじめられたのであればもう少し工夫することで継続されることをお勧めします。 以前は玄米をやわらかく炊くために圧力釜を用いましたが、最近の炊飯器は玄米用の設定ができるようになっているのであまり問題は無いでしょう。さらに柔らかく炊くためには玄米を研いでから24時間水につけておくといいです。長くつけておかないといけないのが面倒という方もいらっしゃるかもしれませんが、白米だって研ぐわけですから手間は同じですよね。ただ少し先を見越して研ぐタイミングが早くなるだけのことです。逆に24時間つけておくことはただ単にやわらかくすることだけでなく、発芽玄米となるメリットがあります。発芽玄米は白米ほどではないにしろ甘みが出て美味しいですし(噛めば噛むほど甘みは増すので食べ方によっては白米より美味しい)、ビタミン・ミネラルの消化吸収効率も上がり、一方で発芽することでエネルギーを使うので玄米が持つエネルギー量が減り、また植物繊維も豊富なことからダイエットにも最適という優れものなんです(私は別に発芽玄米屋さんではないですけど・・・)。 ダイエットについてはもう二~三の効能があるようですが、いずれにしろ水につけ置くだけで玄米自体が更に良いものへと変わっていくのであればこれはもうやってみるしかないですよね。ただし、夏場はつけ置いた水が泡立ってくるので、何度か水を取り替えたほうがいいでしょう。これも白米と違って生きている証拠ですね。 発芽玄米とすることで消化吸収は良くなるはずですが、それでも腹を下すという方は白米と混ぜてみてはいかがでしょうか。もちろん白米、玄米別々に研いだり、白米だけで炊くときより水の分量を増やさなければならないという手間はかかりますが、玄米を食べて下すというのはそもそも胃腸が弱っている証拠とも言えます。体質が変わって胃腸も丈夫になってくれば必ず食べられるようになるはずです。それまでの辛抱とするか、どうしても面倒であれば発芽玄米そのものとしても売られているのでお試しになってみてはいかがでしょうか。 自分の体験ですが、研ぐことなどは自分の生活に溶け込んでしまえば何の苦にもならないものです。腹にずしんとたまる感じがして満腹感は得られますが、逆に白米を食べたときに軽い感じがして何杯でも食べられる感じになってしまい、それがちと困ることといえば困ることですかねえ。快食快便ですよ!あなたも是非どうぞ!
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食養生 噛むこと |
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おのでら鍼灸・健康情報…2007/04/25 現代の食品は以前と比べて軟らかい物が多くなり、そのため咀嚼の回数が減ったことで下顎が未発達の状態になり、見た目はすっきりとしたスマートな顔立ちの人が増えてきたと言われています。しかしこれ、どうやら良い事だけでもなさそうです。 以前から咀嚼の回数を増やすことは良いことだと言われています。唾液を出すことで虫歯になりにくくするとか、脳の活性化につながったり、胃腸に優しかったり、歯並びを良くしたり、満腹中枢を刺激しやすくダイエットにも良いとも言われています。では、東洋医学では噛むということをどのように考えているのでしょうか。 咀嚼によって唾液の分泌が促されるわけですが、東洋医学では唾液と「腎」とのつながりが密接であるとされ、唾液が良く出ると「腎」が強化されると言われています(東洋医学で言う「腎」はいわゆる腎臓を直接さすものではありませんが腎臓が持つ機能の多くを内包するものです)。「腎」を鍛えると骨が丈夫になり、痴呆予防になり、また、長生きすると言われています。現代医学で言われていることと共通することが古くから言われ続けていたんですね。 生命力あふれる赤ん坊のころは唾液の分泌が旺盛であふれ出てきます。また、赤ん坊の例を出すまでも無く、若いときは食事を取るのにあまり水分摂取しなくとも飲み込むことができていたのに、年をとってからお茶や味噌汁など水分なしでは飲み込みにくくなったなどというのは加齢と共に唾液分泌が減ってきた証拠です。 よく「鶴は千年、亀は万年」と言い鶴と亀は共に長寿の象徴とされて来ましたが、実は誤解があるようです。人間の寿命からすれば千年も長生きではありますが、鶴と亀を比べれば10倍もの差があり、この差はどこから来るのかということです。「鶴鶴のむな亀よ亀亀」と「ツルツル飲むな噛めよ噛め噛め」とをかけて咀嚼が長寿の秘訣のひとつであることを伝えたものだそうですよ。どうです?5「へぇ~」ぐらいあげたいと思いませんか? 痴呆老人の方がよく口をモグモグさせている場面を見たことがありませんか?また、徘徊する方などもおりますね。これらは咀嚼を繰り返して唾液を出したり、歩いて骨の退化を防ぐことなどによって「腎」の退化を遅らせているのだと、そして本能的に痴呆の進行を遅らせているのだという方もおります。そのような目で見ると人間の行動には意味の無い行動という物は無いのだなあと考えさせられます。 噛むことについてちょっと視点を変えて見てみましょう。ある食材や人物をさして「噛めば噛むほど味が出る」と言います(自分もそんな人間と言われるようになりたいなあ)。そしてそんな食材こそが身体によい食べ物であると言われています。逆に噛めば噛むほど不味くなる物はあまり身体に良くないということですがどんなものがあるでしょう。そうです。肉なんです(「四足のものは食べないほうがよい」とも言われていますが、牛・豚よりは鳥、鳥よりは魚、ということなんでしょうね)。ほおばった瞬間に肉汁がドバッと出て至福の瞬間を味わっているときに何なんですが、一度ぐらいはお試しあれ。単なる栄養学上の話ではなく、こんなところでも肉のとり過ぎはあまり良くないと言われているわけです(ただし、かく言う自分も別にベリタリアンではなく、肉も食するのでいまいち説得力が欠けるのですが・・・)。一方噛めば噛むほどおいしくなるものとしてはやはり穀物類で、玄米などはその筆頭に上げられるのではないでしょうか。噛めば噛むほどほのかな甘みが増してきますよ。そんな事を踏まえつつ日常の食生活をちょっと見直してみてはいかがでしょうか。 「噛むこと」ひとつ取ってもいろいろな切り口があって、噛みあわせと身体のアライメントの関わりも重要です。いつかそんなことにも触れてみたいと思います。
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化学物質過敏症 家族の記録 |
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おのでら鍼灸・健康情報…2007/04/25 若夫婦と4歳の息子と2歳の娘の4人でそのアパートに引越ししてきたのは1995年の春でした。どこにでもいるごく普通の親子には新しく、そして楽しい生活を夢見ての引越しであっただろうに、その日から闘いの日々に駆り出されることになるとは誰も予想だにできないことだったでしょう。 異常は引越し直後から出始めました。引越し当日から2歳の娘が発熱し、気管支と胃腸症状が出て、胸部レントゲンでも白い影が見え始め、腹部も張って苦しみだしました。「風邪」の診断でした。「風邪」は息子、父親、母親と発症し、4月中は誰か一人は寝込んでいると言う状態でした。これまで仲の良かった家族が次第にみながイライラして落ち着かない気分になり、兄妹はちょっとしたことで喧嘩を始め、そんな兄妹を母親が怒鳴ってしかり、父親も絡んでくる子供達を「うるさい」とはねつけるようになりました。これまでにないギクシャクした空気が家の中を漂うになったのです。 息子にアトピーや結膜炎が出始めました。家族みんなが鼻水、鼻づまりの症状がいつまでも続き、気管支炎を起こしやすくなりました。父親に摘出して今はもうない扁桃腺が腫れているような感覚がではじめ、今までかいたことがないいびきが出始めました。子供達が6月までに40度近い高熱を3回も出してしまいました。いつも咳がひどく下痢をして脱水症状を起こします。あせもがひどくなりました。朝の寝起きが悪くなりました。気温は高いのに、鼻水は止まりません。父親の胃腸の調子が悪くなり、食後はいつも横になってしまいました。休日には頭痛を起こすようになりました。母親は日中独りでいても落ち着かず、集中力がなくなり家事の手際が悪くなりました。子供の不調を管理の悪さとして夫婦喧嘩が絶えないようになりました。 以上のことはほんのプロローグでしかなかったのです。この後4人の症状はさらに悪化の一途をたどり、気がつけば普通の人には感じられない微量の化学物質にも過敏に反応し、生命の危険すらある身体になってしまったのです。原因は引越ししたアパートの畳の下に敷き詰められた有機リン系の殺虫剤のせいでした。化学物質に長期間にわたり暴露され続けたことによる発症でした。 しかしその原因に行き着くまでになんと2年の歳月がかかってしまったのです。そして、「化学物質過敏症」と言う診断がつくまでが大変だったのです。まず、医療の側にその知識が無く、何度受診しても正確な診断がつかず、果ては精神的のものといわれてしまったのです。 彼らはわたしの友人です。現在、岩手県内の比較的空気のきれいな場所で生活を送っていますが、子供達は学校に行くこともできず、父親は元の仕事を続けることができなくなり、農業に従事しています(もちろん無農薬栽培です)。彼らは印刷物から揮発する化学物質にも反応してしまうため、天日干しにしてからではないと本を読むこともできない、そんな生活を送っています。そんな生活想像できますか? この病気を知ることは社会を知ることにもなります。そして、自らの生活を見直すことにもなります。本が出ていますので、是非お買い求めいただいてこの病気への理解を深めていただきたいと思います。病気については下記に概略を記します。なお、岩手県内の方で、自分で化学物質過敏症をお疑いの方は国立病院機構盛岡病院(http://www.hosp.go.jp/~morioka/)にて専門外来を行なっていますので、ご相談してみてください。
「化学物質過敏症 家族の記録」 小峰奈智子著 健康双書(農山漁村文化協会)1300円 - ランドルフ博士の新しいアレルギー根絶法 セロン・G・ランドルフ、ラルフ・W・モス著 河野泉、石川広己訳 桐書房 2980円 こう治す複合汚染アレルギー 河野泉著 桐書房 1545円
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化学物質過敏症についての概要 |
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おのでら鍼灸・健康情報…2007/04/25 化学物質過敏症は身の回りにある微量な化学物質の暴露によって自律神経系の異常をはじめとして様々な症状を呈する(表1)病気です。 一般的に言われている発症の原理としては化学物質に大量に、あるいは長期にわたり暴露を受けることによって各種の症状を呈するが、その間に化学物質への過敏性が増し、その後微量の暴露でも著しい各種症状を呈するようになるのです。 そしてその過敏性は発症のきっかけとなった物質以外にも感じるようになり、多種化学物質過敏症と呼ばれるようになります。 また、同時に食物アレルギーや電磁波過敏症をも併発することも多いようで判別を難しくさせ、各種症状の訴えを心因性の不定愁訴として精神科扱いになることが多いと言うアメリカの学者もいます。 発症のきっかけは冒頭のように、予想だにしないところからの暴露や、歯の治療で使われた薬剤によって発症したもの、近隣のゴルフ場で使われた殺虫剤によるもの、タバコによって発症したもの、そして最も最近注目されているいわゆるシックハウス症候群と呼ばれる建築材に起因するもの等々実に様々です。 現在、「化学物質過敏症」を検索してみると1万件近くヒットしてきます。これ程「化学物質過敏症」と言う言葉が一般化しつつあるのに、その病態についての理解はあまりすすんでいません。建築関係では一定の理解が進み、安全な建築材の作成が進められているようですが、社会的にはその「化学物質過敏症」の発症を防ぐための手立ても遅れています。 その理由は何でしょうか。医学の研究にも臨床研究にも、政治的、経済的縛りがあると言われています。生態学の父とも呼ばれるランドルフ博士が「病気の原因はカビだ、ほこりだといっている限りはどこからも抗議を受けなかった。しかし、食物や化学物質が原因だと言い始めたら、食品業、石油化学工業、製薬会社などからの抗議が始まった」と言っています。そして、河野先生は「日本でもアメリカでも、現代医学の研究に資金を提供している企業はランドルフのような研究を嫌い憎んだのです。企業の縛りを受けている研究者は、ローやリンケルやランドルフの示してきた事実に目をつぶったのです。このような縛りがつづく限り、薬物依存の医療は変わらないでしょう。予防医学も本格的に進まないでしょう。この縛りの先で起きたのが、薬害エイズをはじめとする数多くの薬害事件ではなかったでしょうか。」と訴えています。 テーマから少しずれますが、最近アメリカから圧力が掛かり、全頭検査されないままに牛肉の輸入再開に向けた動きが出でいます。現代社会の中で病気を見ると言うのはある面では社会を見ることになると思います。企業や政治の大きな力によるごり押しを「仕方がない」とあきらめてしまい、ますます危険な未来に突き進むわけにはいきません。まずは正確な認識を広めることから始めたいと思う次第です。
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牛乳って絶対必要? |
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おのでら鍼灸・健康情報…2007/04/25 皆さんは牛乳を飲むとお腹がゴロゴロしませんか。実はわたしは牛乳を飲むと腹を下してしまう体質で、味としては嫌いではないのに何時しかあまり飲まなくなっていました。逆に飲むとしたら、少し便秘気味のときなどに下剤代わりに飲むことはありました。このような体質は「乳糖不耐症」と言って日本人に多い体質であることは知っていました。しかし、単なる体質としか考えていなかったこの「乳糖不耐症」に人間の歴史のドラマが隠されているとは思いもしませんでした。 化学物質過敏症に関連して食物アレルギーについての本を読んでいるときに表題の一文が目に留まりました。日本人が牛乳を飲むことの意味について書かれたものでした。食物アレルギーについて書かれた中での一文でありましたが、「食」と言うものを考えるときに非常に象徴的な内容が含まれていると思われるので、特に抽出して紹介したいと思います。 本は宮城県の坂総合病院の小児科医で、アレルギーに詳しい角田和彦先生によって書かれたものです。(暴走するアレルギー アナフィラキシーに負けない本 角田和彦著 彩流社 2000円) 赤ちゃんの時には全員が持っていた乳糖分解酵素が、大人になるとうまく働かなくなるために生じる「乳糖不耐症」。日本人の8割がなっているそうですが、そもそも赤ん坊のときに全員が持っているのは赤ん坊の摂取する食物は乳しかなく、それを栄養分として効率よく吸収するために備わっている能力だそうです。ではなぜ大人になるとその能力がなくなってしまうのでしょう。それは乳は本来大人の摂取すべき食物ではないからだと言います。 大人のライオンは狩の失敗が何日も続いて飢え死にしそうになったとしても、子供のころには飲んでいた乳を飲んで飢えをしのぐことはないと言います。ライオンに限らず、地球上のすべて哺乳動物が大人になった後に乳を飲むことはないそうです。言われてみれば本当にそのとおりですね。また、人間の成人に「ヒトの母乳」を勧めてみても多くの人が「気持ち悪い」と拒否するそうです。これらの事実や反応は実は種の存続にとって非常に重要なのです。大人が赤ん坊にとって唯一の食物である乳を常食できるとしたら、何かの理由で食料入手困難になったときに真っ先に生命の危機にさらされるのが最も弱者である赤ん坊だからです。 しかし、一方で牛乳を食する文化を持つ人たちがいることも厳然たる事実です。どう考えればいいのでしょうか。 アフリカで発症した人類はもともと穀物や、芋、豆を主食としエネルギーを得ていました。人類はその後、その地にとどまったネグロイド、北に向かったコーカソイド、東に向かったモンゴロイドに分かれます。北に向かったコーカソイドがいわゆるヨーロッパ人ですが、北の植物が育たない地で彼らが生活していくために身につけた食文化は小麦でした。しかし、小麦は刈ったあと一年は休耕させなければなりません。そこで、彼らは小麦を刈った後に牧草をはやし、牛を育て、その乳と肉から栄養を取るようになりました。そして、長い年月に中で乳糖分解酵素の活性を大人になっても維持し続けられる能力を身につけていったのです。 牛乳文化の人たちの栄養バランスは赤ちゃんの栄養バランスと似ています。
よく「カルシウムを取るために牛乳を取なさい」と言われ、日本では一般常識となっています。本当にその常識は正しいのでしょうか。牛乳には100cc中に100mgのカルシウムが含まれていますが、母乳には27mgしか含まれていません。低カルシウムの母乳でゆっくり成長し、ゆっくり成長する中で様々なことを学び取っていくようになっているのです。本当に必要なもの であれば母乳にも含まれていたはずなのですから。 「『ヒトの赤ちゃん』を卒業したのにわざわざ『牛の赤ちゃん』に戻らなくてもいいでしょう。」の一文になるほどなぁと妙に納得させられました。 角田先生は「乳糖不耐症」は牛乳から栄養を取っていた牛乳文化の人たちにとっては病気かもしれないが、その文化を持たない日本人にとっては、というかヒトと言う哺乳動物にとって正常な症状であると言っています。そして話は少し飛びますが、アレルギーをもつ子供達の反応は危険な環境に対する鋭いセンサーであり、現代社会に対する警告であると述べています。何をどう食べたらよいのかを教えてくれると。 大事なことは、長い年月の間に遺伝子に組み込まれた種と民族に合致した食を無視してはいけないと言うことなのではないでしょうか。そこには現代的な栄養学の範疇では汲み取ることのできない人類の歴史が見えるようであります。
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腰痛対処法 その1 |
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おのでら鍼灸・健康情報…2007/04/25 人類が二足歩行を始めてから悩まされるようになったといわれる腰痛。私たち鍼灸師が関わる疾患の中で最も多いものの一つです。この腰痛に対して自分で出来ることがあればやってみようというのが今回の内容です。是非ご参考ください。 最初に注意をしておかなければならないのは、一言で腰痛といっても原因が様々であり、原因が異なる場合に違った対処法が行なわれると、かえって腰痛を増強させてしまうこともありうるので、いずれの場合でも医療機関への受診が基本であるということです。内臓疾患、悪性新生物等に起因する腰痛もありますので自己診断はさけましょう。ここでの紹介は診断を受けた上で自宅で出来ることの紹介とお考えください。 初回は仙腸関節のズレに起因する腰痛です。仙腸関節は仙骨と腸骨で構成される関節です。手足の関節と違ってきわめて可動性は低いですが、動くことは動きます。その少ない可動性の中で解剖学的に異常なズレを生じたときに腰痛を起こします。しかしこの部位に起因する痛みは腰部に限らず下腿や頸部に出ることもあります。また、腰部周辺に痛みを感じる場合でも、より細かく表現すると仙骨周辺の痛みとして出現します。 基本的にこのズレを当院の場合は鍼灸や徒手療法により矯正していくわけですが、重症例の場合は1~2回の治療では治らない場合があります。そのような場合にお勧めするのが以下の方法です。 まず、自転車屋さんでタイヤチューブを購入してきます。そして金属部分を切り取り1本のゴムチューブにします。そのゴムチューブを両脇の腰骨の高さよりも下の部位で腰に巻きつけます。ちょうど巻いたチューブが後ろを通ったときに仙骨上を通っていることを確認します。 これで終わりです。要するに骨盤帯のゆがみを強制的に押さえ込もうとするものです。仙腸関節のズレに起因する痛みはこれを巻くだけで結構楽になります。私自身も昔使っていました。腰背筋を痛めたときの腰部コルセットとは巻く位置が違いますので注意をしてください。このようにチューブを巻いた状態で立ち、腰を水平面上にくるくると左右に回すことで少しずつ矯正されていくことがあります。ただし、程度問題ですから痛みを押して無理に動かすことのないように注意をしてください。 コルセットとは別にそれ専用のベルトも売られていますが、3000円~4000円もしますし、それにお金をかけて痛みをごまかすくらいならば、きちんと治療を継続して完治させることをお勧めします。 そのほかこのチューブを使用する上での注意点としましては、腹筋・背筋の補助をする腰部コルセットとは違い腸骨に対してじかに締め付けるために、間にある筋肉などに圧迫が加わるので長時間つけっぱなしには出来ないということです。仕事時間に限定してつけるか、仕事時間中でも特に動き回らなければならないときに限定するなど工夫が必要でしょう。 また、タイヤチューブを使用するため安価で手軽に出来るのですが、チューブの汚れが服につくこともありますので、その点も注意が必要です。 私も以前は腰痛もちでしたので、腰痛のつらさはよく分かります。じっくり治して動くことが楽しい身体をぜひ取り戻しましょう。
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腰痛対処法 その2 |
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おのでら鍼灸・健康情報…2007/04/25 腰痛には筋筋膜性腰痛と呼ばれるものがあります。いわゆるこれが一般的に腰痛と認識されているものです。西洋医学的にその痛みの本態を見れば腰背部の過緊張や炎症、重症な場合は肉離れなどを起こしている場合も考えられます。 東洋医学的には主に肝変動がある場合に生じやすい腰痛の種類といえます。ちなみに手足のツボへの治療のみでその痛みの何割かが軽減するという事実は、やはり経絡の変動が内臓疾患だけでなく、いわゆる運動器疾患においても深く関与していることを指し示していると思います。また、上記の仙腸関節のズレによって生ずる腰痛の場合にPT的にはAKAという徒手療法で治療することがありますが、先にも書いたとおり仙腸関節のズレはそれが原因で頸や肩の痛みなどを生じることもあり、AKAは多くの運動器疾患に応用される治療法です。しかし、西洋医学的には何故仙腸関節のズレを修正することで肩の痛みが改善されるのか説明がつかないとされております。経絡変動の立場で身体を見ていくと仙腸関節の修正が及ぼす効果は必ずしも不思議なことではないと言うことに改めて東洋医学の深さも感じられる思いです。 さて話がずれてしまいましたが、肉離れを起こすほどの重度な腰痛は怪我ともいえるレベルなので、ある程度落ち着くまでは安静にしながら炎症症状を緩和させるような手当てしていく対象となりますので話はまた別の機会になりますが、普段から鈍痛を抱えている方や今現在は痛みは無いが何度か繰り返しているので予防的に何かをしておきたいという方向けの話です。 基本的には腰背部の筋肉を中心に、股関節周りや下腿の筋肉の柔軟性を高め循環を良くしておくことがその眼目になります。過緊張や発痛物質の沈着によって起こる腰痛への対処と言うわけですね。東洋医学的には気の循りをよくすることと言うわけです。巷でよく腰痛体操が紹介されておりますので、ここではもっと簡単で日常的に行えるものの紹介としましょう。 まず立位で行なう場合ですが、肩幅程度に足を広げ両手は体側にだらりと下ろします。その状態から両手を丁度でんでん太鼓の振り子ようにまわしながら上半身を左右にひねります。上半身をひねった時に顔もそちら側に向けて大きく体幹をひねります。そう、この動きは実はラジオ体操の中にもある動きですね。で、此処で注意しておきたいのは痛みをこらえながら無理にひねってはいけないということです。リズム良く左右に身体をひねり、楽に動く範囲を徐々に広げていくように心がけましょう。そして、問題は回数ですが、数回のひねりで終わるのではなく、30~50回ぐらいの運動をお勧めします。なお、くれぐれも仙腸関節のズレで痛みを起こしている方やヘルニア、脊椎の圧迫骨折を起こしている方には適応しない、あるいはごく軽度に留めておいたほうが良い運動ですのでそのあたり十分にご注意ください。 この運動は腰背部の筋肉に対する直接的なストレッチと言うよりは、軽微な動きを頻回に与えることで緊張を緩めていく効果のほうが大きいのではないかとの印象を持っています。適応する対象者は限定されますが、リズム良く行なえば1~2分程度ですむ動きなので一日の中で何度でも気軽の行なえるものと思います。 仰向けで行なう場合は逆に下半身をひねることになるわけですが、まず、両手を左右に広げておき、片脚を反対の脚を超えて反対側へ持っていくことで体幹のねじりを行なうわけです。その時、顔は天井を向いたままで行い、反対側へ持っていく膝は曲げていてもかまいません。 反対側へ持っていく脚の重みもありますし、1回1回のひねりが時間をかかることもあり、このやり方はどちらかと言うと腰背部の筋に対する直接的なストレッチの意味合いが強くなります。 この他、多くのサイトでも紹介されているものですが、この腰痛になりやすいのは中腰姿勢でいることが多い方なので、立ち仕事をする際は10~20cm程度の台に片足を乗せて腰への負担を軽くするとか、荷物を持ち上げる際には腰を低く落として膝の屈伸で持ち上げるようにするとか日常的な注意がやはり必要です。 柔軟性のある身体のほうが怪我をしにくいとはスポーツの世界でよく言われる話ですが、健康と言う視点でも同じことが言えます。股関節の硬さが老化を早めるような説も言われており、相撲で言う「しこふみ」等を推奨するサイトもあります。体が硬く、立位体前屈でマイナス20cmぐらいの自分でしたが、一念発起して気功と鍼とストレッチとで柔軟性のある体作りをしようと現在鋭意努力中です。皆さんも一緒に気の循りの良い体作りをしてみませんか。
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風邪予防と鍼灸治療 |
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おのでら鍼灸・健康情報…2007/04/24 今年も風邪の季節がやってきてしまいました。 今年は非常に流行ると言う話で、冬休み前だというのに既に学級閉鎖をしている学校もあるようですから大変ですね。 ひどくなる前の予防は東洋医学の世界でも、というか「未病を治す」と言われる東洋医学だからこそお勧めしたいことです。 関西のほうではちょっと具合が悪いと言うと病院にいくよりも先ずはり灸にかかるそうで、それほどはり灸の文化が根付いているようです。 それは風邪の場合も同様だそうです。そうなんです。風邪に対するはり灸もあるんです。西洋医学的に捉えると風邪はウイルス性疾患になりますが、 その時に処方される薬は直接ウイルスを攻撃するための薬ではありません。体が対処しようとする働きをあくまでもサポートするための薬です。 一方はり灸でもその眼目は生命力を高め、如何に対抗できる体調に持っていくかにあります。
さて、そこで家庭では何ができるかですが、東洋医学では上背部から後頸部にかけて「風」の字がついたツボがありますが、そこから風邪が入るとされています。 ですので、その周囲を冷やさずにおくことが大事で、治療ポイントとしては大椎と左右の風門をとります。 頸を前に倒したときに背中で一番ポッコリ飛び出した骨が第七頚椎ですが、その直下が大椎です。風門は大椎から二つ目の骨の直下から横へ1.5寸。およそ親指幅1~1.5本分のところになります。その周辺を皮膚に触るか触らないかぐらいの軽いタッチで撫で回しながら周囲とは違う感触、少し湿ったような、ぬめっとしたような感触があればその反応の場所をとるといいでしょう。 使う道具は御焼香用の線香でかまいません。3~4本まとめて火をつけて、上記のつぼに近づけます。熱く感じたらちょっと離し、また近づける。その繰り返しになりますが、もし寒気を感じているならばその寒気が感じなくなるまで100回でも繰り返してかまいません。皮膚が発赤し、心地よさを感じる範囲内であればそのくらいやっても大丈夫です。 ある花嫁が結婚式の前日に、それまでの仕事と結婚式の準備とで寝不足の日々が続いたためか風邪症状を訴えだしました。「こりゃ大変」となりましたが、そこには鍼を持ってきておりませんでした。そこで急遽焼香用の線香を使い上記のように施灸したわけですが、翌日は症状もすっかり取れ、無事結婚式を済ませることが出来ました。改めて東洋医学の頼もしさを実感した次第です。 ちなみに、以前にある番組でダイエットの方法の一つで上記の部位を冷やす方法が紹介されていました。しかし、使用法の注意として免疫機能を落としやすく、体調が悪い方には危ないといったような主旨のことも合わせて紹介されていましたので、逆説的にこの部位への施灸の効果を思い知らされた感じでした。試してみる価値、大いにありですよ。
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鍼の有効性を示す根拠 |
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おのでら鍼灸・健康情報…2007/04/19 日経新聞に表記の題で、下記の記事が出ていました。鍼の有効性を示す実験と言うのは様々行なわれていますが、その実験をアメリカの医師が行っていると言うのが面白いです。日本には良いものがたくさんあるのに、逆輸入されてはじめてその真価が認められるということがあります。いかがですか?以下は原文のままです。
中国の伝統的な鍼(はり)療法では、足指と眼は同じ経絡(けいらく)でつながっているため、足の小指に鍼を刺せば眼症状の回復に有用であると考えられるが、これまで西洋医学界ではこうした考えに同意が得られていなかった。
今回、西洋医学でも十分な経験を積んできた有資格の鍼師で、米メリーランド大学統合医学センター(ボルチモア)准教授のLixing Lao博士は、脳の活動を画像化するファンクショナルMRI(fMRI)を用いて、足指に鍼療法を行うことにより脳内の視覚皮質の活性が実際に刺激されることを明らかにした。同博士は、この所見は、伝統技術の有効性を現代科学が証明する多くの実例のわずか1つに過ぎないという。
米国での鍼療法に対するこうした変化は、専門家による包括的な文献の見直しに基づいて米国立衛生研究所(NIH)が一定の合意に至った1997年以来大きなうねりを見せている。合意では、鍼療法が医学療法との併用療法や代替療法として、広範囲にわたる症状緩和に妥当な治療法であるとの見解が示された。
鍼療法の対象となる症状として、喘息、手根管症候群、線維筋痛、頭痛、腰痛、月経痛、顔面筋疼痛、変形性関節症、テニス肘が挙げられるほか、脳卒中のリハビリテーションにも有用であるとされた。Lao博士は、これをきっかけに、患者のみならず医師もが鍼療法に注目することになったという。 鍼療法の重要な作用機序として、次の4つの点が挙げられる。
・鎮痛作用を有するエンドルフィンを放出させる。 ・血行を改善する。 ・抗炎症効果がある。 ・心拍数を改善する。
鍼療法によって必ずしも、西洋医学の薬物療法と同程度の疼痛や症状の緩和が得られるわけではないが、副作用がないため、長期にわたって安全に実施することができる。
Lao博士は、薬物療法と鍼療法の大きな差はその作用機序にあり、「鍼療法は症状に対処するのみならず、基礎的な原因にも対処する療法である」と説明する。今後、「鍼療法が支障を来している身体機能に対する反応を高める」ことを示す証拠がさらに得られることが期待される。(原文 2005年12月22日/HealthDayNews)
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帯状疱疹後神経痛 |
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おのでら鍼灸・健康情報…2007/04/18 「痛くて痛くて夜も眠られず、そんな夜が続いて3日目の夜には疲れきってどうにか眠れるという日々の繰り返しでした。」 「痛む脚がどうしようもなくて『この脚何とかして!』と自分で自分の脚を殴ったりしていました。」 「痛みがひどいときは排尿するだけで痛みが増すためトイレに行くことも辛かったです。」 そんな痛みの訴えを受けたのは04年の梅雨が明けてまもなくの夏であった。Hさんを苦しめていたのは帯状疱疹後の神経痛であった。彼女が帯状疱疹をわずらったのは02年3月のことであり、以来2年4ヶ月間に及ぶの苦しみであった。その彼女の苦しむ姿を見かねて知り合いが何かいい方法はないかとインターネットで検索し、たまたまうちのHPを見つけたのが治療に通ってくださるようになったきっかけだった。
帯状疱疹後神経痛は一度かかると完治は難しいと言われている。一生その痛みとうまく付き合っていくしかないと指導されることが多い。しかし、彼女の場合痛みのルートが胆経ラインにすっかり一致しており東洋医学的には経絡病変がハッキリしていたこともあり、「何とかなるのでは」という思いがあった。不思議なことに後に聞いたところでは医学的根拠をなんら持ち合わせていない彼女も初めてうちを訪れた時に「ここで良くなるかも」そんな気がしていたと言う。
他県に住む彼女は最初の1週間は盛岡に泊まりこみ、その後は週に1回県境を越えて来院し治療を続けることとなった。痛みの中心は左下腿外側であったが、範囲としては大腿部まで広がっていた。その大腿部の痛みが初回の治療で消えてしまい、1週間のうちに全体の痛みは約半分に減った。この1週間の治療で痛み具合に変化があったことがその後の治療継続につながって行ったように思う。
決して順調な経過をたどったわけではない。治療直後に逆に痛みが増強し、数日すると今度はもう治ったのではないかと思うくらいに痛みを感じなくなるという痛みの波が大きくうねる時期もあった。しかし、全体として軽減していくことを実感していた彼女は治療継続し、年があけて05年初頭には月に2~3回、夏頃には1~2回の来院頻度で過ごせられるようになった。そして05年10月以降は月に1回のみの来院、06年、明けてからはいまだ来院されていない。時々痛むときもあるようだが、全体的に安定しているとのことであった。
帯状疱疹にかかる前、彼女の寝るときの姿勢は仰向けであり、若い頃には母親が死んでいるのではないかと疑い確認に来るくらい朝までほとんど動かないで寝ているという話であった。しかし神経痛にかかってからは仰向けに寝ると痛みがひどくなる為に左脚が上になるように横向きで寝ていた。そんな彼女も今では仰向けのままで朝まで眠れるようになった。痛み自体は日中はほとんど気にならなくなり、夜になると軽い痛みに意識が向くが一晩寝て朝になると痛みが治まっていると言う。
彼女は未だ完治はしていない。しかし、彼女が変化したのは事実である。何故彼女は変化したのだろうか。
当治療院では彼女の治療を開始した当時は浅刺しによる経絡治療を行っていた。05年の春からは使用する針を?鍼(ていしん)と呼ばれる刺さない鍼に変更し接触鍼による経絡治療を行っている。気の調整を意識したこの治療は西洋医学的観点に立つ刺激針とは異なるものである。使用している針が刺さない鍼である以上変化をもたらしたものは鍼の物理的刺激でないことは明らかである。
西洋医学的には帯状疱疹は子供の頃にかかった水疱瘡のウイルスが神経内に潜んでいて、疲労などにより抵抗力が弱まったときに暴れだし発症するといわれている。ウイルス性疾患は東洋医学では風邪(ふうじゃ)と考えられており、鍼灸医療においても対処すべき邪であり、また対処できる邪として認知されている。東洋医学はその本筋を生命力を高めることで多くの疾患を治癒させしめるところにおく医学であるわけで、彼女の場合も邪の処理と生命力強化(西洋医学的には免疫力向上と言うことになるだろうか)により変化し得たものと考えられる。
改めて「気」の存在を意識し、その重要性を思い知らされ、人体の持つ不思議さを感じさせられたケースである。彼女が最近になって話した言葉がある。「もしあのままの生活を送っていたら自殺していたかもしれない」と。一瞬「大げさな」と思ったが、考えてみると痛みは本人にしか分からないものである。実際帯状疱疹にかかっている時は他覚的にも発病が分かるため周囲の理解を得やすいが、一旦見た目に治癒した後、帯状疱疹後神経痛に移行してしまうとその痛みの訴えに徐々に周囲の理解が薄れていき「気のせいでないの」等と言われ、うつ状態に落ち込み更に症状を悪化させる場合があるという医者もいる。
彼女は同じ苦しみを抱えている方に対して少しでもお役に立てたらと言い今回の掲載も快く了承してくれて、また実体験を話してもよいと言ってくれた。希望があれば彼女への連絡先をお知らせすることはできるのでご連絡いただければと思う。
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クローン病 |
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おのでら鍼灸・健康情報…2007/04/18 人生の楽しみの一つに食べることをあげる人は多いだろう。体に悪いと知りながらうまいものを食べ続けるのはそれ自体が快感であるからだ。その楽しみの一つである食べることを制限しなければならない生活とは少々寂しいものであるように想像される。そんな生活を彼が余儀なくされたのはこの病のためであった。今回は難病指定を受けているこの病に苦しむO君の経験である。 大腸及び小腸の粘膜に慢性の炎症または潰瘍を引き起こす原因不明の疾患の総称を炎症性腸疾患と言うが、クローン病もこの一つで、1932年クローンらによって限局性回腸炎として始めて報告された疾患である。
[病態及び症状] 口腔に始まり肛門に至るまでの消化管のどの部位にも炎症や潰瘍が起こり得るが、小腸の末端部が好発部位で非連続性の病変により腹痛や下痢、血便、発熱、体重減少、全身倦怠感、貧血等々を生じる。また、腸管そのものや腸管外の合併症も多く様々な症状を呈する。
[発症傾向] 発症年齢としては、男性は20~24才、女性は15~19才が最も多く、主として若年者に見られる。 ・男女比は約2:1と男性に多い。 ・日本では2002年度には22010人の患者が登録され、人口10万人当たり約17.5人の割合でおり、欧米の1/10前後となる。 ・世界的に見ると北米・ヨーロッパなどの先進国に多く、動物性たんぱく質や脂肪を多く摂取し、生活水準が高いほどかかりやすいと考えられている。
[原因] 以下のものが挙げられているが何れもハッキリと証明されたものはない。 ・遺伝的な要因。 ・結核菌類似の細菌や麻疹ウイルスによる感染。 ・食事の中の何らかの成分が引き起こす腸管粘膜の異常な反応。 ・腸管の微少な血管の血流障害。
[現代医学的治療法] 根本治療は未だ無いが、正しい理解と実践で「緩解」状態の維持は可能といわれ、その基本は腸管の炎症の抑制と栄養状態の改善のための栄養療法、薬物療法を組み合わせた内科的治療が中心となる。しかし、腸閉塞、穿孔、大量出血などが生じた場合は手術が行なわれる。 栄養療法・食事療法:栄養療法は経腸栄養と完全中心静脈栄養がある。食事は緩解状態であれば通常の食事は可能だが異物除去が必要。一般的には低脂肪・低残渣の食事が奨められるが病変部位や消化吸収機能が異なるため個々の患者に合った食品を見つけることが大事。 薬物療法:免疫抑制剤がよく使用される。
[一般的経過] 再燃・再発を繰り返し慢性の経過をたどる。完全な治癒は困難で緩解期を如何に長く維持するかが重要となる。手術率は発症5年で33.3%、10年で70.8%となる。定期的な検査が必要となる。
[東洋医学的疾患弁別] 東洋医学的には泄瀉である。泄瀉は五泄に分けられ、胃泄は不消化便、脾泄は腹張って吐気がある。大腸泄は寒邪との争いのため食後に痛む。小腸泄は小腸が痛み大便に膿や血を混じえて下し、小便が近い。大?泄は便意を感じながら、しぶり便が思うように出ず陰茎中が痛むとなる(重宝記より)。主に小腸泄がこれにあたるものと考えられる。 彼は31才の会社員で、初めて来院されたのは2005年9月1日のことであった。もともと子供の頃から腸は弱く、また緊張しやすい性格だったようで、突発的に激しい下痢をすることがあったとのことである。24才の時にストレスにて発症しクローン病の診断名がつき、これ以降下痢、血便、痔ろう、腹部脹満、腹痛、発熱、こむら返り、口内炎(舌先)等の症状に悩まされ、発熱は朝37℃が夕方には39℃になる様な状態が毎日続いていたそうである。 29才で小腸及び大腸の一部の切除術を受け、その後は毎日の下痢と体調を崩したときの腹部脹満以外の症状は改善し(口内炎、こむら返りは体調不良時には現れる)、緩解状態が続いている。術後は働けずにいたが来院する2ヶ月ほど前からようやく働けるようになったということであった。 来院時の主訴は下痢、腹部脹満であった。便通に関しては毎朝起き掛けにすぐと出かけるまでの間に2~3回水様便を出し切ると落ち着く。日中に1回ぐらい行くこともある。生野菜などは消化しきれずにそのまま出る。当院来院前に別の治療院で鍼治療を受けていたが、そこで治療を受けると1週間ぐらいは腹が張ることも無く経過していたとのことであった。 仕事はパソコンを8時間使い続ける仕事で、座りっぱなしでストレスも感じるとのことであった。食事に関しては、もともとあっさりとしたものが好きで外食する際は和食中心の食生活ではあったが、腹部脹満や下痢を起こすために油ものや生野菜、辛いものなど刺激物となるものは一切摂らないとのことであった。 予後としては西洋医学的には治療困難とされる疾患であり、また経過が長い状態なので治療にはある程度の期間を要するものと思われた。しかし、病証と腹証、脈証共にほぼ一致しており、また、血の病と言うより気の病の要素も多く、経絡調整の有効性を十分に発揮しうる症例と見た。
治療方針 幼少時から消化器系統に問題を抱えてきたとの経過を見れば陰病として捉えるのが妥当と思われるが、外邪性の病が長期にわたり陰病化してきた可能性も有り、陰経に潜む邪の存在にも留意しながら1回ごとの治療を注意深く進めていく事とする。 治療経過 初回(9月1日) 当院では?鍼と呼ばれる棒状の針を使用している。これは皮下に刺入しない皮膚上に当てるだけの鍼で、まさに患者に痛みを与えず気の調整することを目的として使用している。材質は金で出来ており非常に気の動きやすいものである。この鍼で陰経、陽経の調整を行い、標治法は仙腸関節調整及び頚背部調整を施行した。施術後背中全体の緊張も緩み、顔の赤みもとれ、体が軽くなったとのことで治療終了とした。
2回目(9月5日) 前回施術後は軽い倦怠感が出たがぐっすり休めて、目覚めスッキリした。今朝から便が泥状便になったとのこと。施術後はやはり顔の赤みも取れ、目のすっきりした感じもあり、体の緊張が取れたとのこと。
3回目(9月8日) 便は泥状便とあまり変わりないが精神的に緊張度合いがゆるくなっている感じだとのこと。治療内容に変化なし。施術後は体が軽くなり足先まで温かくなったとのこと。
4回目(9月12日) 相変わらず便は泥状便だが治療前は水様便だったので改善している感じはするとのこと。切診上も体幹や四肢の緊張は緩んできている。
5回目(9月15日) 朝、起床直後から通勤途中にトイレに行かなくとも良い様に出勤時間ぎりぎりまで毎朝2~3回トイレに行っていたが、回数が減ってきて1~2回で済み、余裕を持って出かけられるようになってきたとのこと。しかし、小便のほうは相変わらず1時間に1回は行っているとのこと。
6回目(9月20日) 前回の治療翌日(16日)昼食にフライを食べてしまい(前回いつ食べたか覚えていないほど久しぶりに食べたとのこと)、17日から腹張って渋り腹になっているとのこと。以前は食べればその日の夜には腹が張ってきていたのが今回は次の日に症状が現れた。今日は幾分改善してきたとのこと。腹がパンと張り苦しそう。今回は本治法に若干の修正を加えたが、他は同プログラムにて施術した。腹の張りが緩み、本人も楽になったとのことで終了とした。
8回目(9月26日) 昨日ケーキを食べたので腹が張っているとのこと。便は糟状便。口内炎、喉疼痛はなくなっているとのこと。やはり顔面の赤みはなく、本人も熱が抜けたように感じており、加えて目のかすみもあまり起きなくなってきたとのこと。全体的に気分も落ち着いており良くなってきている感じがするとのこと。施術内容に変化なし。
10回目(10月7日) 仕事の関係でやや間が空いたが便の状態に変化無く、朝一回、日中一回ですんでいる。遅く帰宅するためか、かえって寝付かれず寝不足気味。昨夜数ヶ月ぶりでコーヒーを飲んだので少し腹が張っているとのこと。通常よりも体幹、四肢の緊張がやや高い。施術内容に変化なし。
11回目(10月10日) 昨夜食べ過ぎ、加えてケーキなども食べたため腹は張ってはいないが違和感があり、今朝は泥状便が3回ほど出たとのこと。
以上のように9月から10月にかけては9回と6回と集中的に治療を行い、便の状態の変化、精神的な安定、顔面発赤の消失、体幹・四肢の緊張の緩みなど自他共に改善を認めた。11月以降の治療頻度は06年7月まで1回~4回/月で平均2.8回となっている。 まもなく治療開始して一年を迎えようとしている現在、主訴であった下痢は消化の悪いものを食べない日が続けば固形物として排泄できるようになり、腹部脹満に関しても良くない物を食べた次の日には張るもののすぐに改善するようになり、通常の状態では張ることなく日常を過ごせるようになってきている。また、本人が気にしていたものに精神的な緊張があった。病気の由来もそこにあるのではないかと本人は考えていた。確かに当初より体幹四肢の緊張が認められ、自律神経の観点で見ると交感神経の緊張状態が続いている様子が伺われた。しかし、治療がすすみ体の緊張が解けていくに従って精神的にも安定が得られていくことを実感されていたようである。 安保らは「疾患の7割は交感神経の亢進状態がもたらすもの」と述べている。このような視点での疾病の捉え方は鍼の有効性を端的に示すものとしても非常に有意義であるものと考えられ、本人においても体の緊張が緩んでいくに従って精神的な安定や便の状態の変化が得られることで自律神経系統の調整が徐々に得られていることを確認でき、治療継続へのモチベーションを高めることになったものと思われる。 過敏性大腸炎の人もそうであるが、下痢することに慣れている人はそうなることが分かっていてもついつい好きなものを食べてしまうらしい。施術側にとってはもう少しの間、食べ物に注意を払ってもらったほうが改善も早いのではと考えてしまうが、しかし食べる事は人生の楽しみでもあり、また全体として良い方向へ進んでいる限りにおいては改善の度合いを確認する作業にもなる。O君にも来院時に焼きそば、コーヒー、山菜、チーズケーキ、ラーメン、蕎麦、炭酸、うなぎなどを食べたことを聞かされる。勿論ごくたまにの話である。そんな話を聞くと私は「チャレンジャーだねぇ」と半分あきれながら言うのであるが、それも「食べてみようかな」と思えるくらいの体になったからだろうと理解し喜んでもいる。当然食べた次の日には腹部脹満を起こしてしまうがすぐに治るとの自信がついたのだろう。 治療家は一生勉強である。しかしその勉強は単に本を読むだけではない。どれほど既存の治療法を習って知識を広げても、患者の体の変化を自らの感性の中で捉え、そして消化し、治療技術を自らの感性の中で発展されなければ上達はありえない。時には既存の治療法の枠を超えて自分の中の声に従って行なうことも必要だと思っている。そういった意味では彼の存在もまた私にとって大切なものである。今後またどのように変わっていくだろうか。推移を見守っていきたい。
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